肉はたんぱく質や鉄、ビタミンB群などを摂れる重要な食品です。
ただし、加工肉、脂身の多い肉、高温で焼いた肉などは、食べる量や頻度に注意したい肉です。
特に注意したいのが、ソーセージやベーコン、ハムなどの加工肉です。
WHOの国際がん研究機関(IARC)は、加工肉を「人に対して発がん性がある」と評価しています。
赤肉についても「おそらく発がん性がある」と評価されています。
また、肉の種類だけでなく、脂身の量や調理方法、生焼けかどうかでも注意点は変わります。
体に悪い肉ランキング
日常的に食べる場合に特に注意したい肉を、加工の有無、脂質、調理方法などから整理すると次のようになります。
| 順位 | 肉・料理 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 1位 | ソーセージ・ベーコン・ハムなどの加工肉 | 発がん性、塩分 |
| 2位 | サラミ・カルパス・ビーフジャーキーなど | 発がん性、塩分 |
| 3位 | 脂身の多い牛・豚肉 | 脂質、カロリー |
| 4位 | 脂身の多いひき肉・ハンバーグ | 脂質、カロリー |
| 5位 | フライドチキン・唐揚げなどの揚げ肉 | 脂質、高温調理 |
| 6位 | 焼肉・ステーキなどを高温で焼いた肉 | 高温調理による生成物 |
| 7位 | 成型肉・加工された肉料理 | 加工内容、脂質、塩分 |
この中でも、「肉そのものの性質」と「加工・調理による問題」は分けて考えることが重要です。
1位はソーセージ・ベーコン・ハムなどの加工肉
体への影響を考えるうえで、まず注意したいのが加工肉です。
加工肉とは、塩漬け、熟成、発酵、燻製などの加工をした肉のことです。
ソーセージ、ハム、ベーコン、サラミ、コンビーフなどが代表的です。
IARCは加工肉をGroup 1「人に対して発がん性がある」と分類しています。
特に大腸がんとの関連について、十分な証拠があると評価されています。
加工肉を毎日のように食べる食生活では、摂取量を見直すことが重要です。
2位はサラミ・カルパス・ビーフジャーキー
サラミやカルパス、ビーフジャーキーも加工肉に含まれます。
これらは保存性を高めるために塩漬けや乾燥などの加工が行われているため、
肉そのものだけでなく塩分にも注意が必要です。
特にサラミやカルパスは少量でも食べやすく、気付かないうちに量が増えやすい食品です。
「肉だからたんぱく質を摂れている」と考えるだけでなく、加工肉としての特徴を見ることが大切です。
3位は脂身の多い牛肉・豚肉
カルビ、バラ肉、脂身の多いロースなどは、赤身の多い肉と比べて脂質が多くなります。
脂質そのものが悪いわけではありませんが、脂身の多い肉を大量に食べれば、
食事全体のカロリーや飽和脂肪酸が増えやすくなります。
肉を選ぶときは、同じ牛肉・豚肉でも脂身の量を見るだけで栄養バランスがかなり変わります。
4位は脂身の多いひき肉・ハンバーグ
ひき肉は、見た目だけでは脂身の量が分かりにくいのが特徴です。
牛ひき肉、豚ひき肉、合いびき肉などは商品によって脂質量が大きく異なります。
さらにハンバーグになると、チーズやソース、マヨネーズなどが加わることで、
脂質やカロリーがさらに増える場合があります。
「ひき肉だから悪い」のではなく、脂身の多いひき肉を使った料理は脂質が増えやすいと考えると分かりやすいでしょう。
5位はフライドチキン・唐揚げ
鶏肉そのものは、比較的脂質を抑えやすい肉です。
ところが、衣をつけて油で揚げると話が変わります。
衣が油を吸収するため、鶏肉だけを焼いた場合より脂質やカロリーが増えます。
さらに肉を高温で加熱すると、調理によってヘテロサイクリックアミン(HCA)や多環芳香族炭化水素(PAH)などの物質が生成されることがあります。
IARCも、肉を高温で焼く・揚げる・バーベキューする場合にこうした物質が生じることを説明しています。
6位は高温で焼いた焼肉・ステーキ
焼肉やステーキそのものが悪いわけではありません。
注意したいのは、肉を非常に高温で加熱する調理方法です。
特に表面を強く焦がすような焼き方では、HCAやPAHなどが生成されます。
そのため、肉の種類だけを見るのではなく、どのように調理しているかも重要です。
「赤身肉だから健康」「鶏肉だから安心」と単純に考えるのではなく、
肉の種類・脂身・加工・調理方法をまとめて見ると分かりやすくなります。
赤身肉は体に悪い?
赤身肉とは、脂肪分が少なく、肉本来の赤い色が濃い部位のことです。
赤身肉にも注意すべき点があります。
WHOのIARCは、牛肉、豚肉、羊肉などの赤肉をGroup 2Aと分類しています。
グループ2Aとは?→ おそらく発がん性がある
ヒトに対する発がん性の「十分な証拠」はないものの、動物実験での証拠が十分にある、またはメカニズム的に発がん性を示す強い証拠があるレベルを指します。
特に大腸がんとの関連について、一定の証拠があるとされています。
一方、赤肉にはたんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンB群などの栄養素も含まれています。
つまり、「赤身肉=食べてはいけない肉」ではありません。
加工肉よりも発がん性についての根拠は弱く、肉そのものに栄養上のメリットもあります。
赤身肉を食べる場合は、量や頻度、ほかの食品とのバランスを考えることが重要です。
加工肉と赤身肉は何が違う?
ここは「体に悪い肉」を考えるうえで重要なポイントです。
| 種類 | IARCの分類 | 代表例 |
|---|---|---|
| 加工肉 | Group 1 | ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミ |
| 赤肉 | Group 2A | 牛肉、豚肉、羊肉など |
| 鶏肉 | IARCによるこの分類の対象ではない | 鶏むね肉、もも肉など |
加工肉は、塩漬け、熟成、燻製などの加工によって、肉の状態が変化しています。
一方、赤肉は基本的に加工されていない哺乳類の筋肉です。
この2つを同じ「肉」として扱わないことが大切です。
なお、IARCのGroup 1とGroup 2Aは、危険度の順位ではなく、
発がん性についてどの程度の科学的根拠があるかを示す分類です。
肉で一番体に悪いのは?
日常の食生活で特に注意したいのは、加工肉の摂りすぎです。
ソーセージ、ベーコン、ハム、サラミなどは加工肉に該当し、IARCでは発がん性について十分な証拠があると評価されています。
一方、脂身の多い肉は脂質・カロリー、高温調理した肉は調理によって生じる物質、生肉は食中毒というように、問題になるポイントがそれぞれ違います。
そのため、「肉は全部同じ」と考えるより、加工肉なのか、脂身が多いのか、どう調理したのかを見るほうが実際の食生活では役立ちます。
食べてはいけない肉は?生肉・加熱不足には要注意
ここは「体に悪い肉ランキング」とは別に考える必要があります。
生肉や加熱不足の肉は、食中毒のリスクがあります。
厚生労働省は、牛レバーの生食用としての販売・提供を禁止しています。
牛レバーには腸管出血性大腸菌が存在する可能性があり、新鮮だから安全というわけではありません。
また、豚肉や豚レバーも生食は禁止されています。E型肝炎ウイルスや食中毒菌などのリスクがあるためです。
鶏肉や鶏レバー、イノシシやシカなどのジビエも、生や加熱不足で食べると食中毒のリスクがあります。
肉は種類よりも「生で食べるか、十分に加熱するか」が重要になる場面もあります。
生肉で特に注意したい肉は?
特に注意したいのが次の肉です。
| 肉 | 主なリスク |
|---|---|
| 牛レバー | 腸管出血性大腸菌 |
| 豚肉・豚レバー | E型肝炎ウイルス、食中毒菌 |
| 鶏肉・鶏レバー | カンピロバクター、サルモネラなど |
| イノシシ・シカなどのジビエ | E型肝炎ウイルス、寄生虫、細菌など |
厚生労働省も、豚・イノシシ・シカなどの肉やレバーは十分に加熱するよう呼びかけています。
肉の種類によって原因となる病原体は異なりますが、「新鮮だから生でも大丈夫」という考え方は危険です。
ジビエ(シカ・イノシシなど)にも注意
野生動物の肉には、E型肝炎ウイルス、寄生虫、細菌などが存在する可能性があります。特にイノシシ肉やシカ肉を生や半生で食べるのは避け、中心部まで十分に加熱することが重要です。
ジビエは「脂質が多いから体に悪い」という肉ではありません。むしろ、シカ肉などは脂質が比較的少なく、たんぱく質や鉄などを含んでいます。
ジビエで注意したいのは、肉そのものよりも「生・加熱不足」で食べることです。
そのため、ジビエをランキングに入れる場合は、加工肉や脂身の多い肉と同じ理由で「体に悪い」と考えるのではなく、食中毒リスクのある肉として注意するのが適切です。
肉を食べるなら何を選ぶ?
体への負担を抑えながら肉を食べたいなら、加工肉や脂身の多い肉ばかりに偏らないことがポイントです。
例えば、次のような肉は普段の食事に取り入れやすいでしょう。
- 鶏むね肉
- 鶏もも肉
- 豚ヒレ肉
- 豚もも肉
- 牛もも肉
- 牛ヒレ肉などの赤身が多い部位
鶏むね肉や豚ヒレ肉は脂質を抑えやすく、牛赤身肉には鉄や亜鉛などの栄養素も含まれています。
「体にいい肉を1種類だけ食べる」というより、加工肉や脂身の多い肉に偏らず、いろいろな肉を使い分けるのが現実的です。
体に悪い肉ランキングまとめ
肉は健康に悪い食品ではありません。
たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンB群などを摂れる重要な食品です。
ただし、肉の種類によって注意点は大きく異なります。
特に覚えておきたいのが次の4つです。
加工肉
→ ソーセージ、ハム、ベーコン、サラミなど。IARCは発がん性についてGroup 1に分類。
赤肉
→ 牛肉、豚肉、羊肉など。IARCはGroup 2Aに分類。
脂身の多い肉
→ 脂質・カロリーが増えやすい。
高温調理・揚げ物
→ 調理によってHCAやPAHなどが生成されることがある。
そして、生肉や加熱不足の肉は、発がん性とは別に食中毒のリスクがあります。
肉を選ぶときは、「肉だから健康」「肉だから体に悪い」と一括りにせず、加工されているか、脂身が多いか、どう調理するか、十分に加熱されているかを見ることが大切です。
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